筋膜を解剖すると、白っぽいコラーゲンの膜と胞膜が全部一緒になっているように見えて、お互いが一つのつながりのある線維性のネットワークとして機能しているようにも見えます。
また、膜の一部である関節包や靭帯、支帯などの高密度の筋膜組織は不活性組織と分類されて力学的特性ばかりに注目されてきました。
しかし、靭帯の固有受容器の存在や足底筋膜の感覚運動調節の役割など、感覚器の一つとしての役割があることが分かってきています。
筋膜ネットワークには、赤筋の10倍の感覚神経受容器があることもわかっています。
それは固有受容性神経終末だったり、自由神経終末だったりします。
骨膜、筋内膜、筋周膜、内臓の結合組織といろいろな筋膜組織に存在しています。
また、深筋膜と浅筋膜の移行部分の層で固有受容性神経終末が多く存在しています。
痛みをの感覚に筋膜は大きな役割を持っています。
骨や関節の変形があって痛みを感じているという一般的な考え方があるが、これが当てはまらないこともあるようです。
例えば、椎間板の変性での腰部の痛みは実は、腸腰筋の筋膜組織の損傷で起きている可能性があることが分かってきました。
椎間板の変性は二次的に起こっているだけであり、その発生源を別なところをから探す必要が出てきています。
腰痛における新しい仮説検証モデルが研究者によって提唱されたのです(Panjabi 2006)
腰部の結合組織の小さな傷が侵害受容器を、興奮させて痛みを感じさせていることもあるのです。
また、内臓の自由神経終末からの情報は、潜在意識下で送られてきているのです。
この情報は脳に送られ、多くの場合、情動や動機づけに関係している脳の領域で処理されます。